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知らないうちに影響を受けている

『戦国魔姦』を書き始めるとき、これはいつも書いているものと少し文体を変えると、良い感じにまとまりそうだと思ったのです。

基本は「である」文体にして、ふだんよりも少しいかめしく。ちょっと時代がかった単語や言い回しを多用して時代ものっぽい雰囲気を出す――という方針を決めて、冒頭の二章分を書き上げたところで友人に相談しました。普段はあまり書かないタイプの文体なので、うまくまとまっているか心配だったのです。

「どうかな。時代小説っぽい雰囲気出てる?」
「時代小説っていうか、夢枕獏っぽい」
「あっ」

なるほど、言われてみればその通りかもしれません。
夢枕獏『餓狼伝』は、普段から何度となく読み返しています。「である」調で小説を書こうとすると、慣れない時代小説よりも、普段から読んでいるなじみ深い文体に引っ張られてしまうのでしょうね。

夢枕獏『餓狼伝』シリーズ(AA)

その後、いろいろと修正を加えて、あらためて時代小説と、ライトノベルの中間を目指して調整したのが、最終的に本になった原稿です。

わりと良い感じにまとまったつもりでいたけれど、出版社側からは「もう少しくだけた文章でもよさそうですね」なんて指摘もいただきました。このあたりは微妙なバランス調整の問題なので、もしまた時代物を書くことになったら、最適なチューニングを目指してあれこれ試行錯誤することになるのでしょうね。

2014/05/27 00:00 | 未分類COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

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