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わかりやすさの問題

アニメや映画なんかを見ていて、例えば、「俺はあのとき、自分の敗北と向き合う勇気が無かった。だからお前を憎むしかなかったんだ!」みたいなセリフがでてくると、とてもがっかりします。

現実だったら絶対口にしないような言い回しで、キャラの心情やお話のテーマを丸ごと説明するような台詞。そういうのは直接言葉にするんじゃなくて、間接的な描写を通して観客に察してもらうような造りになっていると面白いのに……と思ってしまうのです。

ただ、それは自分が読者や観客だった場合の話。
いざ自分が書く立場になると、ついつい読者に伝えたいことを、全部はっきり書きたくなってしまいます。

キャラクターの心情やらなにやらを全部説明したら、それは小説じゃなくて、ただのあらすじになっちゃう。
そうはわかっていつつも、「もっとわかりやすく書かないと伝わらないんじゃないかなあ」なんて思ってしまいまうのです。そして二度、三度と校正を繰り返すうちにどんどん説明過多になってしまう。

もうちょっと自分の筆力に自信があったら、多くは語らずに読者に判断を委ねる……なんて書き方もできるんですけどね。
つまるところ、粋な文章にするか、わかりやすい文章にするかというバランス調整の問題なんだけど、未だにベストの配分が見つからなくて書くたびに悩んでしまいます。

2014/06/07 00:00 | 雑記COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

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